アトピー性白内障とは?

 白内障には、加齢によって起こる老人性白内障のほかに、アトピー性白内障と呼ばれる症状があります。アトピー性白内障とは、アトピー性皮膚炎を発症している人に合併症として現れる白内障のことを言います。

 アトピー性白内障に関しても原因は未だによくわかってはいないのですが、症状は老人性白内障と同様に水晶体が白濁していくことにより、視界がクリアではなくなっていくものになります。アトピー性白内障の場合には、一般的な白内障のように水晶体の外側から中央に向かって症状が進むのではなく、水晶体の中央部分から外側に向かって症状が進行していくことが多くなっています。また、老人性白内障とは違い、10代から30代といった比較的若い患者の方が多いのもアトピー性白内障の特徴です。患者の方が若いということもあるためか、アトピー性白内障の場合は、老人性白内障よりもどちらかというと、症状の進行スピードが早い傾向にありますので、点眼薬などによって、症状の進行を遅らせることが難しい場合もあります。その場合は、普通の白内障に比べて早い段階で白内障の手術を受けていただく必要があります。

 アトピー性白内障の方の中には、片目のみ発症する方も多くなっています。また、水晶体の中央部分から進行していくことが多い分、早い方では、眼の不調に気付かれてからわずか半年ほどでみるみるうちに視界が白くぼやけていってしまったという方もいらっしゃいますので、お気を付けいただきたいと思います。

 また、原因はよくわかってはいませんが、アトピー性白内障は、顔面にアトピーの症状が強く出ている方に多く見られることもあるようです。白内障は外傷や薬の副作用などによっても発症する病気になっていますので、アトピーで眼や顔がかゆい場合などにあまり力を入れてかかれたりすることのないように気を付けられることも大切でしょう。

 アトピー性白内障の場合は、先述のとおり、進行が早かったり、水晶体の中央部分から白濁していったりすることが多くなっていますので、治療は基本的に手術ということになります。手術自体は普通の白内障同様に1時間程度で済むものになっています。