日帰り手術の全貌!

 白内障を外科的な手術で治療する場合、眼の中にある、白く濁ってしまった水晶体を取り出し、眼内レンズを挿入する手術を行うことになります。水晶体は、白内障の症状が進むにつれて硬くなってきてしまうものになっていますので、あまりにも症状が進行してしまっている場合、手術に時間がかかってしまうことも考えられます。また、仕事柄、細かい作業や夜間の運転などが多いという方は特に早期の手術を進められることもあるようです。

 では、白内障の日帰り手術の中身とはどういったものになるのでしょうか?

 近年、医術の進歩に伴い、白内障の手術は、糖尿病や他の眼科疾患などを併発していない方、健康状態に問題がなく自力による歩行等が可能な方の場合、基本的に日帰り手術が可能となっています。
手術は、点眼麻酔をして、瞼を開く器具を用いて眼を大きく開き、濁ってしまった水晶体部分を取り出し、眼内レンズを挿入することになります。場合によっては点眼麻酔のほかに麻酔注射をすることもあるようですが、点眼麻酔をした後であれば、ほとんど痛みを感じられることはないようですので、ご安心いただきたいと思います。手術自体は早ければ10分ほどで終了しますが、水晶体が硬くなってしまっている場合などは、もう少し時間がかかる場合もあります。手術前には、点眼麻酔をしたり、血圧を測るなどしてその日の状態を把握したり、手術後には、回復室で両目を閉じたまましばらく安静にしていることになりますので、手術時間はすべてを合わせて1時間ほどを見ていただくとよいでしょう。また、手術前の血圧の状態や、術後の状態によってはさらに時間がかかることもあります。
水晶体を取り出す作業は、角膜を3ミリほど切開して、超音波で砕き、吸収することによって行います。そして、切開した部分から眼内レンズを挿入することになりますので、皮膚や眼球などを大きく切開するようなことはありません。眼内レンズ挿入後、点眼薬を入れて、手術は終了になります。
手術後も何度か眼科で診察を受けていただく必要はありますし、術後2~3か月くらいまでは眼を安静にした生活を送っていただくことになります。特に手術後1週間は、角膜の傷が治りきっていませんので、眼を清潔な状態に保っていただく必要がありますし、1日3~4回、抗生剤などの点眼薬を使っていただくことになります。手術後少なくとも1日は眼帯をしていただく必要がありますし、術後、お医者様のOKが出るまで夜寝る間は、保護眼鏡や眼帯をしていただくことになりますので、その点もお気を付けいただきたいと思います。