片目のみの眼内レンズ

 加齢とともに白内障が進行してしまわれる方の場合、両目ともに症状が進行して行かれることが多くなっていますが、場合によっては、症状が片目だけに現れるという方もいらっしゃいますし、アトピー性白内障の方の中にも、片目のみ白内障の症状が出てしまわれたという方もいらっしゃいます。では、眼内レンズを片目にのみ入れることはできるのでしょうか?

 白内障になってしまわれた方の眼をそのままの状態にしておくことは、白内障にかかっていない眼の視力のことを考えましても、あまりよい状態であるとは言えません。眼内レンズは片目手術でも大丈夫なのかと心配をされる方もたくさんいらっしゃいます。もちろん、片目だけ眼内レンズを入れられることは可能ですし、問題もありません。眼内レンズが入っている方の眼は、単焦点眼内レンズであれば、ピントを1か所にしか合わせることができませんので、多少の不便を最初のころは感じられるかもしれませんが、メガネやコンタクトレンズなどを使用していただくことで補っていただくことができる程度のものであると言われています。

 また、中には両目の手術を希望されていた場合でも、片目の手術しか諸事情によりできない方もいらっしゃいますので、片目だけの手術が特別だということは何もありません。特に若い方の場合には、片目だけ症状が進行してしまわれるという場合も多いようですので、あまり深刻に捉えることなく、お医者様ときちんと相談をされてご自分に合った眼内レンズを入れてもらうことができるように相談をしてみていただきたいと思います。

 また、両目とも白内障の症状が出ている場合でも、右目と左目で進行のスピードが違う場合、症状が進んでしまっている方の眼から手術を受けられて、もう片方の眼も日常生活に支障が出てしまわれるようになられた時にもう一度手術をされるという方もいらっしゃいます。その場合には、それぞれの視力があまり偏ることのないように眼内レンズの度数を調整してもらうことで、良い方の眼に負担をかけないようにすることが多くなっています。